理事長ご挨拶

近年日本においては少子高齢化の中で高齢者の増加が著しく、かつ医療の高度化、専門化がすすみ、医療の提供体制の見直しをすすめざるをえません。とくに、“がん”の診断については、高齢者の増加とがん検診の普及という背景のもとに、“がん”を早期に発見し、早期の段階で治療することによって医療費の抑制に繋げることも求められます。また一方で、山間僻地においては人口減少による過疎化がすすみ、医療への住民のアクセスが困難となり、地域における受けられる医療の格差も拡がる傾向にあります。さらに全国的に病理診断医や放射線画像診断医の数は少なく、必要数をみたしていません。従って必要な病理診断あるいは画像診断を下すための医師の配置が適切に行われていないという現状もあります。

これらの問題を解決する一助として、ICTを使った遠隔医療によって、専門医と最前線の医療現場とを結ぶ手法を用いることが考えられます。ICTの発達によるさまざまな画像の伝送はそのクオリティの向上、その機器の操作性の向上が図られ、医療技術としては十分に活用できるレベルに達しています。そこで光ファイバーやインターネットを利用したシステムを構築して、D to D (Doctor to Doctor)の遠隔医療を可能にし、これを日本の僻地医療および医療水準の低い海外の諸国に普及させることをめざすのが当法人の目的です。

医療水準の低い海外の諸国では、国全体が日本における僻地医療に相当する面もあると思われます。それらの諸国では、国内のインフラの整備や国民の生活レベルの向上に多くの予算を使わざるをえず、医療の提供の優先順位は高くありません。また、医療保険制度の未整備のために、貧富の差が受けられる医療の格差に直結しています。さらに医療を担う人材の不足からは、日本におけるような専門医の数は限られているといえます。

従って、そうした諸国では、ICTを使った遠隔医療を普及させることによって解決をはかっていくことは有効であると考えます。本法人は、遠隔医療のための機器を提供し、それを現地において実際に使用して、その有用性を示す努力を続けています。これが継続性をもって受入れられるためには、一定期間、日本からの経済的支援が必要かもしれません。

近い将来、こうした技術が広く医療界で用いられ、医療の迅速性や効率性に寄与できることをめざしたいと思っています。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする